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第10回 コンピュータ将棋選手権(2000年)参戦記

日時2000年3月8日(水)8:30−19:30
場所千葉県浦安市舞浜1-9 シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル グラン パオ
参加者山本 堀江 杉山 立見 福岡
プログラム福将棋(fuku0.6)
使用マシンAT互換機 Celeron 504MHz(112x4.5) x2ip, PC100 256MB

【第1局(×):福将棋 vs 横山将棋】
【第2局(○):葵 vs 福将棋】
【第3局(○):菊地1400 vs 福将棋】
【第4局(×):福将棋 vs せくしいあいちゃん】
【第5局(×):DNA将棋 vs 福将棋】
【第6局(○):Piece Captor vs 福将棋】
【第7局(○):福将棋 vs ハロー馬場将棋】

4勝3敗。一次予選26チーム中14位、一次予選不通過(8位まで通過)。

公式結果


2000/03/08(水)に行われた、第10回コンピューター将棋選手権に参戦しました。

【大会前】

記念すべき初出場は、最良優先型を拡張した検索アルゴリズムで出場することになりました。 この単純な最良優先からの拡張部分は、 「読みたい度」というみなさんは聞いたことが無いでしょう単語で呼んでいます (まぁ勝手に名前をつけたんですけど(^^; )。 静的評価がほとんど駒得だけで実装されていたため、 簡単な local max を超えることができませんでした。 それを超えるために読みたい度という考え方を持ち込んでいます。

プログラムは読みたい度の項目選定と数値設定を堀江さんが行い、 その実装を杉山くんが行い、私は最良優先の node のリンクを 制御する部分を作成しました。 さらに山本さんの作成した定石を使っています。 で、リーダー福岡さん!全体のコーディネーターで、 方針の策定やチューニング、最後は本戦でのクジ運のゴッドハンド係です! 普段は各自がバラバラにプログラムを実装してきましたが、 この大会に向けて全員でひとつのプログラムを作ることにして完成させました。

前日は会社から速攻で帰って、最後のコーディングの詰めを開始。 しっかりと徹夜になってしまいました。 早朝バタバタと液晶ディスプレイやキーボードを用意しました。 さーて出発!

会場に着くと福岡さんがすでに着いていて手続きをすませていました。 PC本体は杉山くんの物を使うのですが、来ない!! さみしく私の持っていった液晶ディスプレイとキーボードだけを 机の上にならべて開店休業状態。 ようやく杉山くんが会場に到着したのは、開会式のほんの直前でした。 急いで PC を箱から出し、さらに私が知人から借りてきていた PC125 の SD-RAM を組み込みました。 やっと PC が起動した所で、さて私と杉山くんが昨晩作ってきたプログラムの 結合をしようっ、としたタイミングで第一戦を行なう机が発表され、 またすぐに電源を落としてPCの移動となってしまいました。バタバタ。

第一局目の場所はステージのまん前でした。 すぐに PC を再起動して、それぞれのファイルをコピーします。 ちょうどこの頃に開会式が始まり、主催者のみなさんの挨拶が始まりました。 私達は急いでコンパイルし、動作の確認に入りました。 司会者のお話や、ルールの説明などはリーダーにまかせて 私達はまったく話しを聞いていませんでした、いや聞けませんでした。 まず、いきなり定石ファイルが読めないという問題が発生! 今朝(?)修正していた定石読み込み部のファイルを持ってくるのを忘れていました。 とりあえず、いつもテスト用に使っていた 2000 局面の 実績のあるファイルを使い立ち上げだけは済ませます。

ようやく起動したと思ったら、次はいきなり core を吐いて落ちました。 プログラム中には、チェック条件を満たしていなかった場合に 自分に SIGSEGV を送り core を吐いてデバグを助ける機能をしこんでいましたが、 それらのチェック条件ではなく本当に不当参照 SEGV で落ちていたので、 さらに顔面蒼白に...。

とりあえず gdb を起動し、バックトレースを表示します。 たぶん今朝いじっていた自分の王が取られる状況を 認識させるコーディングが悪いのだろうと言う事で、 そのコーディングを外しました。すると案の定、落ちなくなりました。

っと一安心したところ、しばらく指してみると、 次はハングアップ、というか無限ループに...。 これまた今朝いじっていた詰めを解かせるコーディングが悪いのだろうと言う事で、 詰めを解くために入れてみたコーディングを外しました。(T-T)/

これでようやく一応動作するようになりました。 次に本番用の新しい 6700 局面の定石ファイルを読めるように修正をはじめます。 この頃にはすでに開会式は終わり、みんな対局の準備に入っていました。 ここで今朝の作業をおもいだして、その修正を入れていきます。 なんだかんだでやっと定石を読めるようになりました。 そして、次は?...イヤイヤもう、試合開始時間です。

【第1局】

先手:福将棋 :詰まされて負け
後手:横山将棋 :最終成績 3勝4負

対局開始前に、対戦者の横山さんに待ってもらい、 10 分程動作確認をさせてもらいました。 横山さんは新人を暖かい目で待ってくれました。 どうもすいませんでした。

さて、いよいよ記念すべき CSA 初対戦です! 実は今まで、リファレンス対局ソフトとはつなげていた事はあったのですが、 実際に相手と通信するのも初めて、。 最初の1手が横山将棋の画面に反映され、横山将棋の手が こちらの画面に表示され思考ルーチンが動作を開始する...。

かんどーーー!(T-T)/

さてさて本局では、いきなり定石から落ちました。 話を伺ったところ、横山将棋には定石は無いとの事でした。 せっかく山本さんが沢山打ち込んだのにちょっと残念でした。

さて、手が進むと、ちゃくちゃくと攻め込まれほとんど詰みが近い状況になってきました。 このとき福将棋は、じーっと時間を使い長考していたましたが、 ここで横山さんから「どうやら7手で詰んでいます。」と一言...。がーん。

長考から抜けて福将棋が手を返すと、 横山将棋はノータイムで手を指してきて、またこちらが長考。 もう詰んでるんですけど。。。 そのあとぱたぱたと数手続き、本当に王が取られて負けました。 おみごとです。はい。

さて、対局が終った後は、実は負けたとかいう悔しさなどみじんも感じずに、 一局指し切ったという安堵の気持ちでいっぱいでした。 プログラムが途中で落ちなかった事と、 通信で問題が起きなかった事でめでたしめでたしな気分でした。 でも、それを杉山くんに言ったら怒られました。

通算:0勝1敗

【第2局】

先手:葵 :最終成績 1勝6負
後手:福将棋 :相手の障害で勝ち

第二戦は後手になりました。 後手番ではまだ動作実績が無い為(またかよ!)、それが不安だったりします。 でもはじめてみれば対極は順調にすすみました。よかったよかった。

順調に進行して行った時、堤さん(葵の作者)が「あっ、落ちました」と一言。 どうしたら良いのか判らなかったので運営のかたに来ていただいて、 お互いに途中局面からの再開ができない事を確認し、 こちらの勝ちと決定しました。

相手の障害とは言え、勝ちは勝ち! とりあえず帰ってもはずかしくないと言う思いでいっぱいでした。

通算:1勝1敗

【第3局】

先手:菊池1400 :最終成績 1勝6負
後手:福将棋 :勝ち

おろ、、菊地さんの PC が起動しない。。。 ついさっき disk エラーでダウンしたとの事でした。 まぁPCは普段移動させるようなものでは無いので、 何度も電源を切って移動させなければならないこの大会みたいな時は、 そういう障害はしょうがないですよね。 ところで、菊地さんの OS は OS2 でした。 ウチもコンピュータ将棋を乗せる OS としては あまりメジャーではない linux でしたので、 なんとなく親近感を感じてしまいました。

さて菊地さんの PC は、他の対局がチラホラ終わりはじめていた頃、 やっと起動しました。 では、対戦と思ったら、いきなり通信ができない。。。 やっぱウチですか(T-T)/???? いやいや、ここは菊地さんのPCの設定不足が原因でした、 設定を直した後は無事接続。いよいよ試合が始まりました。

こちらはいつもになく順調に攻め込み(まぁ人が見ればひどい手ですけど) 最後は詰ませて勝ち! ついに実力勝利を物にする事ができた! 思わず杉山くんと握手。

通算:2勝1敗

【第4局】

先手:福将棋 :詰まされて負け
後手:せくしいあいちゃん :最終成績 4勝3負

会場内でひときわ目立つ、PentiumIII の PC を4台並べた クラスターマシンとの対決...。 こちらも大会要綱に印刷されているように Celeron 504MHz *2ip で、 はなやかな感じです。 ですけど、実は、コーディングが間に合わなかったので cpu は一個しか使っていないんですけどね。(^^;;

そうそう、あいちゃんも OS は、こちらと同じ linux でした。 あとで ioctl で RS232C の制御をする部分をいただいてしまいました。 どうもありがとうございます! (ウチは cu コマンドをかまして実装していました)

対局が始まると、あいちゃんの動きが良いおかげで こちらも非常に将棋らしい動きをしています。 でも順当にじわじわと駒損をかさね、 自己評価はじりじり負け方向になっていきます。 しかし盤面上では、自玉のいない側だけが成り駒で壊滅的に攻められていて こちらの攻め駒は相手王の近辺に居ます。 形的にはいけるかも!

86手目、あいちゃんに会心のミス。 王の逃げ場所に飛車を打ってしまったのです。 福将棋には手持ちに金銀があり、玉頭に銀を打つ3手詰みです。

チームみんなでその一手を願いながら見守っていると、 福将棋の画面の、みんなが注目していたマスに銀が現われた! 歓声をあげようとしたその時、「あれ???」 盤面を見ると、それは銀打ちではなく、 その右下にいた銀が王の頭に移動しただけだった。 悪い事に、その銀はただ捨て。。。 (ここはそのうち盤面を貼ります)

こちらの攻めの拠点をただで相手に渡し、 後はちょこちょこ攻めるが、圧倒的に攻められ負けてしまった。

なんと言ってもあの銀が悔やまれる。

通算:2勝2敗

【緊急修正】

たったの三手詰めが読めずに銀をただで捨ててしまったという事で、 「読みたい度」の緊急修正をはじめました。 王手をかけに行く順番を、価値の低い駒から試していて、 今回のケースでは歩などを打つ手を読んだ後、 ダメだと判断して銀を打つ手が伸びなかったようです。 という事で試す順を金銀からに変更しました。 ここは堀江さんと杉山くんの熟知の範囲ですので、 他のメンバーは二人がバリバリコーディングを修正しているのを 後ろから生暖かい目でみまもるだけでした。

修正が終って、さっき銀をただで捨てた盤面をくわせて 正しく銀を打てるか確認。うん、打てました。きちんと詰ませられます。 これで次局以降に行きましょう。

【第5局】

先手:DNA 将棋 :最終成績 3勝4負
後手:福将棋 :詰まされて負け

ノートパソコンとの対戦だぁ! っと思っていたら、DNA将棋には順調に攻め込まれ、簡単に負けてしまった。 福将棋全く良い所なし。 なぜか序盤で、こちらの金銀が全く動かずに 歩がどんどん前に出ていってしまった。 どうも後手で出てしまう特有の動作のようでした。

なお、DNA将棋は定石が無いとの事でしたが、 そこそこうまく駒組させていました。 最終的にはこちらが角を利かせてやぐらに王を入らせない事に成功したのですが、 金銀は定位置についていました。 あの囲いの処理は私達のプログラムにも欲しいですね。。

通算:2勝3敗

【第6局】

先手:Piece Captor :最終成績 3勝4負
後手:福将棋 :反則勝ち

対戦が始まると実力的には福将棋のほうがやや劣る物の、 テンポの良い指し手が続きました。 119手目、Piece Captor から王手がかかり、 福将棋が逃げる 120 手目を指した所で、 沖井さん(P.C.の作者)が「あ、うちの負けです。」とぽつり。

なぜ????

「王が三枚になってしまいました。」 がびーーん。確かにP.C.の画面を見ると、盤面に二枚と、さらに駒台に王が。。。

運営のかたに来ていただき見てもらい、将棋のルール違反の手を指した ほうが負けと言うルールに乗っ取り勝ちとなりました。 まだ決着には遠い盤面でしたが、最後までやっていたら 実力的には負けていたような気もします。 でもなんだかんだ言って、星を五分に戻しました。

通算:3勝3敗

【第7局】

先手:福将棋 :勝ち
後手:ハロー馬場将棋 :最終成績 1勝6負

後手になった時の歩の動きがおかしいと言う事で、 対戦前にプログラムを緊急修正していましたが、 7局目は先手と判ったので、6戦のプログラムを使用する事にしてほっと一息。 相手は iBOOK だ。 この大会ではプログラム同士の対戦をシリアル接続で行なう事になっているので、 ケーブルを接続...。 ってiBOOKには、、、シリアル端子が無いのでは!?。 っと思ったら、ちゃんと馬場さんは代理通信ソフトを動かす DOS/V note 機も 持ち込んでいました。ノートPCが二台(^^;なんか面白いなぁ。

ハロー馬場将棋の今日の戦績を見るとは、いまの時点で一勝しかしていないようです。 私達が第3戦で勝った「菊池 1400」に負けているようです。 これは勝てるな、っと思って対局を開始したのですが、 あれれ?実力迫中でかなり手ごわいです。 評価点は福将棋がやや不利という評価になっています。 まぁまだ負けるような状態ではありませんが。 おかしい!なぜこんな強いプログラムが一勝しかしてこないんだ??

途中、福将棋の角と竜が斜めに並んだ時、 ハロー馬場将棋の竜が両取りをしかけて来ました。 こちらは水平線にはまり、見事に無駄王手! に一瞬見えたのですが、同歩と取る1手にさらに同じく竜で、 生き残らせる事ができた。うーんすばらしい。 っというか、福将棋の作者は弱すぎ(^^;見ていて「あ〜水平線だ」とか 言ってしまったのがはずかしい。

しばらく熱戦を繰り広げた後、今度は福将棋から飛車で王手をかけました。 すると応手で王を助けずに何故かこちらへの王手を掛けてきてしまいました。 うーん、王を取ってしまった。それでこちらの勝ちと決定。

そして、ついに勝ち越し。。。

通算:4勝3敗

【最後に】

結果発表、4勝3敗の人は8〜14位になりました。 対戦してきたすべての相手の勝ち数が多い人のほうが順位が上になると言う事で、 私達は4勝3敗の人たちの中の最下位の14位になりました。 一次予選の参加が26チームなので、半分より下です。

すべての対局が終った結果で、全敗したチームが一つ、 一勝のみのチームが三つ有り、私達は全ての一勝チームとあたって 3チームともに勝っています。 リーダー福岡さんのゴッドハンド炸裂! 対戦運はかなり運が良かったと言えるでしょう。 福将棋をコロッと負かしたDNA将棋は3勝4敗でしたしね。

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